Moomin ムーミン ARABIA アラビア プレート

毛むくじゃらで尻尾の長いこの小さなトロールは、ムーミンたちのご先祖さま。水浴び小屋の戸棚から出たご先祖さまは、夜中にムーミンハウスのシャンデリアの中でごそごそしているところをムーミンに発見されて、ハウスの中を案内されました。見るものすべてにあまり反応を見せなかったのに、ムーミンががっかりしながらランプを置いた暖炉に、打って変わって強く興味を示して、あちこち探りはじめます。そこでムーミンはママの「ご先祖は大ストーブのうしろでくらしていた」という話を思い出し、確かに自分と目の前のトロールに血のつながりを感じます。はじめの冬に戸惑いと孤独を感じていたムーミンの心に暖かい気持ちがじんわりと広がるのを感じる、素敵なシーンです。

手前側には、その暖炉と壁の隙間に押し込んだ飾り物をご先祖が眺めている場面が描かれています。反対側には、あまり好みでない絵をさかさに掛け直している(と思われる)ところが。トゥーティッキいわく「自分の寝場所のぐるりに、気持ちのいい草むらみたいなものをつくろうとしたのね。安心していられるように。」との見立て。自分の生活空間を心地よく整えるのはムーミンママを思い起こさせます。下ろさずに逆さに掛け直しちゃうあたりの無邪気な偏屈さんぷりはムーミンパパっぽくて、ついつい笑ってしまいます。